実用的なキャリア自律支援を目指し、セルフ・キャリアドックを段階的に導入
第一生命グループのIT戦略を担い、システムソリューションと事務サービスを中心に業務を行う第一生命テクノクロス株式会社(以下、DLTX)。かつてないスピード感で進む社会変容に応じた「時代の変化に適応した働き方の実現」にむけ、社員の自律的なキャリア形成の必要性を感じ、セルフ・キャリアドックを導入し、キャリア形成の後押しをされています。
セルフ・キャリアドック導入に至るまでの模索
DLTXは第一生命グループのITを支える企業として生命保険ビジネスを中心とする大規模なシステムの開発・運用・保守や事務サービスを担っています。
また、これまで培った知識・技術・経験をもとに第一生命グループ以外のお客さまに対しても、多様なソリューションを提供する外販事業も展開しています。
当社は大規模システムの安定稼働を重視した「守り」のITと、DX時代の到来など急激な環境変化への対応としてInsTech(保険ビジネスとテクノロジーの両面から生命保険事業独自のイノベーションを創出する取り組み)といった「攻め」のITにも果敢に挑んでいます。
特に「攻め」のITにおいては、これまで安心・安全という「守り」の側面を重視し、着実に業務を遂行し会社を支えてきた社員にとって、価値観の変化を伴う挑戦となっています。
このように急激な時代変化に合わせた働き方の必要性が顕在化するに伴い、社員一人ひとりの長期的なキャリアに対する不安や悩みが増加するかもしれないという懸念が生じてきました。
こうした課題認識の中、社員のキャリア形成についてセルフ・キャリアドックを通じた支援が当社の課題解決への取り組みになると判断し、2020年度に導入検討を開始しました。
セルフ・キャリアドックを内製化する企業もありますが、当社は知識、スキルを有した専門家と協業することで、社員がより広い視野で自身のキャリアについて考えてもらうことを目指しました。
専門家の選定においては、1.研修からキャリアコンサルティングまで一貫して対応していただけること、2.セルフ・キャリアドック導入支援の実績があること、3.幅広い年代に対し柔軟に研修設計を対応していただけることの3点から、株式会社ライフワークス(以下、ライフワークス)に決定し、当社独自のセルフ・キャリアドックの確立に向けて、制度設計の検討フェーズからご支援いただきました。
ライフワークスのアドバイスを踏まえ、まずはニーズと効果の確認を目的に、40代社員にターゲットを絞ってトライアルからスタートした結果、受講者からの高評価を得たことから手ごたえを感じ、2021年度からの本格的な導入に向け検討を進めました。
ライフステージ、ワークステージに合わせた研修の実施
2021年度からは、より実用的なキャリア支援を目的に、社員のライフステージ、ワークステージに合わせた研修体系を整理し実施しています。
具体的には、ライフ・環境の変化が伴うと言われている30歳、40歳、50歳社員を対象としたプログラムや仕事と生活のバランスを考え、自分らしく活躍ができるよう女性活躍をテーマとしたキャリアサポートプログラム等を整え、キャリア研修の一環として実施しています。
階層別では、2年目・4年目、新任昇格者向けのスキルアップ研修のコンテンツにもキャリア形成の要素を取り入れて実施しています。
また、研修を通じて自身のキャリアビジョンを明らかにするとともに、自律的な行動に移せるように、キャリアコンサルティングも併せて実施しています。
これらの施策を実施することで社員一人ひとりが未来の「ありたい姿」を描き、イキイキと働くことができることを目標としたセルフ・キャリアドックの制度が整いました。
成果と今後に向けた課題への対応
「キャリアについて、じっくりと考える時間を持てた」「研修でほかの社員のキャリアに対する考え方を聞くことができ、自分のキャリアを考える上でのヒントになった」「キャリアコンサルティングで第三者の視点から意見をもらえ、視野が広がった」「自分の目指すキャリアがクリアになり、必要な学習を開始した」という社員からの声が挙がっていること、中長期的なキャリアについて上司と話す機会が増えていることから、自律的キャリア形成の実現に向けて一歩前進したと感じています。
今後も当社の課題をさらに整理し、キャリア支援を加速していきたいと考えています。その中でも、キャリアを踏まえた上司の育成力強化を目的とした新たな取り組みも予定しています。
社員一人ひとりの課題が明確になってきている中、各自のキャリアと会社の経営戦略との結びつけにいかに納得感を持たせていくか、ということが今後の注力ポイントになってくると考えています。
社員の内的キャリアを重視し、会社と個人が対話を通じてより深い関係を構築することで、社員にとって納得感の高いキャリア形成につながるように、時代の変化に適応しながらチャレンジを続けていきます。
支援サービス概要1
キャリアデザイン研修
日程 | 1日(8時間) |
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対象 | 30歳社員(必須)、40歳社員(必須) 、女性活躍(公募制) |
対象別コンセプト
30歳社員 | 自分のありたい姿を明確にし、自律的に一歩を踏み出す |
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40歳社員 | 内的キャリアを言語化し、自分らしく組織で活躍するための一歩を踏み出す |
女性活躍 | 自身の価値観・強み・持ち味を内省し、自己効力感を醸成する |
支援サービス概要2
キャリアコンサルティング
日程 | キャリアデザイン研修後に実施。1名75分。 |
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対象 | 入社2年目社員、入社4年目社員、30歳社員、40歳社員、50歳社員、女性活躍(研修受講者は必須) |
この事例のまとめ
課題 | DX時代の到来といった急激な環境変化のなか、社員のキャリア開発支援を強化する必要性を感じ、2020年度にセルフ・キャリアドックの導入を検討。40代社員にターゲットを絞ったトライアルにて高評価を得たことから、2021年度からの本格的な導入に向け検討した。 |
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方法 | 社員のライフステージ、ワークステージを考慮し、30歳社員、40歳社員、女性活躍を対象としたキャリア研修を新設。入社2年目と4年目、新任昇格者向けの既存スキル研修にもキャリア関連の要素を加えた。グループ全体で実施する50歳研修を含め、キャリア関連の研修を受講した社員にキャリアコンサルティング面談を実施した。 |
成果 | 社員のライフステージ、ワークステージに合わせたセルフ・キャリアドックの研修体系ができたことで、キャリアについて考え、自律的に行動できる社員が増えてきた。更なるステップアップに向けて、時代の変化に適応したキャリア支援を進めていく。 |
研修導入企業情報
第一生命テクノクロス株式会社 様
- 目的
- ミドル・シニアの活性化 女性の活躍推進 若手の成長支援・リテンション
- 年代
- 20代 30代 40代 50代
- 業界
- 情報通信
企業のご担当者様
第一生命テクノクロス株式会社
DX推進本部 M3Harbor推進部
リーダー石井伸治様
第一生命テクノクロス株式会社
HCM本部 人財企画部
リーダー早田美穂様