報連相とは?おひたしや目的、意味や報連相のコツを解説
「報連相(ほうれんそう)」とは、「報告」「連絡」「相談」という3つの重要な行動を指すビジネス用語です。ビジネスシーンにおけるコミュニケーションの基本であるため、多くの社会人が組織で働くにあたり新人のうちに身に付けるべきだと考えられています。そんな報連相ができる人材を育成するには、どのように指導すれば良いのでしょうか。
本記事では、人事担当者/育成担当者様へ向けて、報連相の基礎知識を解説します。部下の育成や報連相を受ける際に役立つ知識をご紹介するため、ぜひお読みください。
1.報連相(ほうれんそう)の意味と目的
初めに、新入社員に理解させたい「報連相(ほうれんそう)」の基礎知識をお伝えします。それぞれの意味やビジネスシーンにおける重要性について解説するため、改めて確認してみましょう。
1)報連相の意味
①報告
報告とは、自分の仕事の状況を共有することです。部下は、上司に業務の経過や進捗状況・結果などを伝える義務があります。上司にとっては、部下からの報告が状況を把握する機会となります。そのため、仕事でミスをしてしまった場合も、速やかに報告をしてもらうことが重要です。
②連絡
連絡とは、仕事で起こった出来事を正確に伝えることです。必要に応じて上司や同僚、所属するチームのメンバーに対して、要点を押さえて情報を知らせます。その際、事実と私見を分けて、簡潔に伝えることがスムーズに連絡するポイントです。的確に連絡することで、仕事に関する注意点やスケジュールといった必要性が高い情報を迅速に周知し、社内で意思疎通をはかれます。
③相談
相談とは、ほかの人の意見を求めることです。部下が仕事で迷ったときには、上司の判断を仰ぐ必要があります。相談する側の部下は、上司が状況を把握しやすいように、詳しい事情を伝えることが大切です。相談を受けた側の上司は、部下に対して適切なアドバイスを返さなければなりません。また、前提として部下が上司に相談しやすい組織風土を作っていくことも重要となります。
2)報連相の目的
報連相の目的は、業務に関する情報を適切に共有して、正しい判断や対応ができるようにすることです。必要な情報が不足すると、業務効率の低下を招くだけでなく、致命的なミスやトラブルにもつながりかねません。関係者が円滑に連携するためにも、報連相の仕組みが不可欠なのです。また、報連相には問題発生時の解決を早める機能もあります。早期に問題を発見し、状況を的確に把握できれば、責任者が対処しやすくなるでしょう。
このような理由から、新入社員に報連相を徹底させる場合には、メモを持参させるのが望ましいといえます。メモをとることで状況を整理して、正確に情報を伝えやすくなるためです。また、新たな指示やアドバイスを聞いた際に、その場で記録することもできます。
2.報連相をする社員に伝えたいアドバイス
部下が適切な報連相を実施できるように育成するには、具体的にどのように指導するべきでしょうか。ここでは、部下へ報連相の指導をする際に、上司からアドバイスしたほうが良いポイントを解説します。
1)報告するときは相手の都合を考慮する
部下には、まず相手の状況を確認した上で報連相を行うよう指導しましょう。場合によっては、上司が急ぎの仕事に取り組んでいるなど、報連相に適さない場面もあります。都合の良いタイミングを見計らう意識も必要です。また、関係者全員への共有にはメールやチャットツールを利用するなど、効率的な伝え方を身に付けてもらうことも重要でしょう。
2)早いタイミングで行う
報連相は可能な限り早いタイミングで行うのが望ましいと指導することも大切です。特に、問題やミスが起こったケースでは、必ずすぐに報告するよう伝えましょう。また、部下が対処に迷ってしまったときは、自分で判断する前に早い段階で上司に相談するよう促すなど、報連相の心構えまで伝えておきましょう。
3)結論から伝える
報連相を行うときは、まず結論から伝えることが基本となります。部下には、情報を簡潔に伝えるためのスキルを身に付けさせると良いでしょう。初めに自分で内容を整理した上で、一度にすべての情報を過不足なく伝えることがポイントです。相手に分かりやすく伝えるために、図や表などの資料を用いて説明しても良いでしょう。正確な報連相ができるように、トレーニングを重ねるようおすすめします。
3.報連相を受ける側の心得「おひたし」
上司が部下から報連相を受けたら、相手の言葉をしっかりと受け止めた上で、正しい判断や対応につなげることが大切です。最後に、報連相を受ける側である上司が身に付けておきたい「おひたし」について解説します。
1)お(怒らない)
たとえ報連相の内容が部下の起こしたミスの報告であったとしても、相手を怒らないように留意しましょう。上司が感情的になることで、怒られた部下がしだいに報連相をしにくくなるおそれがあります。部下の成長を促すためにも、感情的にならないように気をつけながら、ミスの原因や改善点を共に考えていくことがポイントです。
2)ひ(否定しない)
コミュニケーションでは、相手の話を頭ごなしに否定しないことが大切です。報連相を受ける際は、部下の意見が自分の意見と異なる場合でも、まずは否定せずに最後まで話を聞きましょう。自分の意見を伝えるタイミングは、相手が話し終えた後です。同様に、もしも報連相の内容が間違っていたら、相手の話が終わってから訂正します。
3)た(助ける)
部下が助けを求めて報連相を行うケースもあります。相手が困っているとわかったら、速やかに助けに入りましょう。助けに入る際は、相手の成長を促すためにも、部下と一緒に解決できるように動くのが望ましいといえます。
社会人になりたての新入社員を育成するケースなど、場合によっては、そもそも部下が相談すべき状況を自分で判断できないケースもあります。初めのうちは部下が助けを求める前に、上司が自ら部下の状況を把握するよう努めることも必要です。
4)し(指示する)
報連相を受けたら、部下が迷わず仕事に取り組めるように、わかりやすく指示出しを行います。部下の能力に合わせて、具体的にやるべきことを伝えます。このとき、部下の仕事の仕方へ過剰に干渉しないよう注意しましょう。あくまで部下が自分で判断する余地を残した上で指示するのが、相手の成長を促すポイントです。
適切な報連相で円滑な連携を実現しましょう!
ここまで、報連相の基礎知識から部下を指導する際のポイント、上司側の心得までお伝えしました。社会人の基本として身に付けたい報連相は、会社として正しい判断や対応をするためにも重要なルールです。新たに組織に加わる新入社員には、着実に報連相の方法を身に付けさせましょう。
また、部下に適切な報連相を行ってもらうためには、普段から上司と部下が良好な人間関係を構築することも大事です。職場で関係性を構築するには、定期的にコミュニケーションの機会を設ける施策が有効だといえます。
たとえば、1on1ミーティングを実施すれば、上司と部下が気軽に話し合える環境が作られ、報告・連絡・相談のしやすさにもつながります。以下の関連記事では、報連相の実現に役立つ1on1ミーティングを紹介しているので、ぜひ併せて参考にしてみてください。
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この記事の編集担当
黄瀬 真理
大学卒業後、システム開発に関わった後、人材業界で転職支援、企業向けキャリア開発支援などに幅広く関わる。複業、ワーケーションなど、時間や場所に捉われない働き方を自らも実践中。
国家資格キャリアコンサルタント/ プロティアン・キャリア協会広報アンバサダー / 人的資本経営リーダー認証者/ management3.0受講認定
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