次世代リーダー研修の目的と具体事例とは。成果はどのように測定するのか。
リーダー研修が注目されています。日本企業で昔から実施される課長研修や、新人研修、中堅社員研修のみならず、次世代リーダーの育成に特化したリーダー研修は、多くの企業様において、重要なテーマと認識されているのではないでしょうか?
一方で、他社がどのような研修カリキュラムを行っているのか、その成果やROI(リターン・オン・インベストメント)はどのように測っているのか等、実際の成果測定の進め方については把握できていないことも多いかもしれません。
本記事では、リーダー研修が注目されている背景・目的とともに、具体的な事例や、成果測定・ROIの測り方のノウハウをまとめております。ご参考になれば幸いです。

1.次世代リーダー研修が注目される背景とは
リーダー研修とは、その名の通り、対象者の「リーダーシップ」を向上させる研修となります。もっと具体的に言うと、リーダーシップのマインド・意識醸成を行うほか、具体的なリーダーシップスキルを学ぶ研修です。リーダーシップを発揮するための具体的な理論・事例、部下とのコミュニケーション方法を学ぶためにロールプレイを行うなど、内容は多彩です。
今、リーダー研修が注目されている時代背景として、以下の3点が挙げられるでしょう。順番に解説・紹介していきます。
1)先行きが見えない時代
今、私たちは1年・2年先も予測不能な時代にいると言ってよいでしょう。その中で、事業を行うにあたり、職場のチームメンバーがバラバラに動いていては、事業推進を軌道に乗せることはできません。リーダーが力強いリーダーシップで、しっかりメンバーをまとめ上げ、適切にプロジェクトの舵取り・変革をしていく必要があるでしょう。
2)ダイバーシティの時代
今は、ダイバーシティ、多様性の時代ともいわれています。メンバーの個性を活かすスキルがある人材をチームリーダーとしてアサインし、様々なメンバーを取りまとめていく必要があるでしょう。昔と違い、リーダーたる人々は、マネジメント(管理)、部下育成だけをしていればよい時代とは違います。コミュニケーション能力を駆使し、メンバーそれぞれの個性を最大限に生かしていく必要があります。また、チームビルディングを意識し、チーム力を向上させることができるリーダーが必要となるでしょう。
3)早期選抜の時代
時代の変化が激しいなか、いかに未来の経営層を早期選抜し、組織を若返らせるかも企業の大きな課題です。社会のニーズの変化に敏感な若手社員層を早期に上位層に抜擢し、要職を担わせていく必要があるでしょう。
2.次世代リーダー研修の目的とは
上記のような時代背景もあり、リーダー研修は、企業にとって最重要課題になっているのではないでしょうか。このような背景をふまえると、リーダー研修の「目的」は、以下の3つに集約されるといっても良いでしょう。
- 事業・プロジェクトを牽引し、成果を出すため
- 多様な従業員・メンバーを活かして成果につなげるため
- 優秀人材の早期育成、抜擢のため
3.次世代リーダー研修の具体事例とは
では、具体的にリーダー研修はどのようなものがあるのでしょうか?具体的な事例とともに見ていきましょう。
1)必修型(管理職研修等)
課長や部長昇格時に、実施する研修に含まれる「必修型」の研修です。いわゆる階層別研修の一つとして位置づけられ、例えば、課長としての基礎知識とともに、リーダーシップマインドとスキルを学ぶというものです。従来から取り入れている企業も多く、目新しいものではありませんが、課長などの役職者昇進時に、もれなく、全員に研修受講してもらうことで、広く研修内容を行き届かせることが可能です。
2)選抜型
次に、より将来の経営者に近い候補生に向けた「選抜型」の研修です。この研修は、全員に声がかかるものでなく、将来経営幹部になる見込みがありそうな優秀層を選抜し、受講させるものです。
メリットとしては、本当に必要な人材にだけ、スポットを当てて、集中的に育成できるという点と、選ばれた人材のモチベーション、エンゲージメントを高められるというものです。逆にデメリットは、選ばれない人材のモチベーションを下げしまうリスクがあることが挙げられるでしょう。また、選別された優秀層が学ぶべき研修内容でないと、逆に選抜された受講者のやる気をそいでしまうリスクがある点です。
そして、選抜型は以下の3つのカリキュラム型に分けられるでしょう。
①長期プログラム型
長期プログラム型は、1ヵ月に1度ないし2度程度の研修を、6か月から1年ほどの長期間にわたって行います。受講メンバーは1年を通じて、切磋琢磨することとなり、メンバー同士の交流も深まります。アクションラーニングなど、リアルな事業課題に向き合いながら、学びを深め、能力を高めていくプログラムとの相性も良いでしょう。研修は中期にわたり、実施効果は高いものの、優秀人材層の仕事・業務時間とのバランスを取る難しさもあり、本業と研修のバランスを取ることが必要でしょう。受講者の周囲の理解も必要となります。
②短期プログラム型
短期プログラム型は、数日の連続日程で行い、完結するプログラムです。リーダーとしての心構えや、具体的なスキル・知識を学ぶことで、短期でリーダーとしてのスキルアップを目指します。内容としては、経営幹部の講話からのマインド醸成や、リーダーとしての知識・マインドセットを学ぶための座学やワークショップなどが考えられるでしょう。
短期間ですが、目的を果たすためのプログラムになっているかどうか、その後のフォロー体制が出来ているかどうかが、成功のカギとなるでしょう。
③グローバルワークショップ型
自社だけでなく、第二拠点(例えば、名古屋や仙台、札幌等)にある国内関係会社や、海外拠点を持つ企業の場合は、幹部候補生が一堂に会するワークショップ型のリーダー研修があります。
例えば、ゼネラル・エレクトリック(GE)社のクロトンビルなどが有名です。ニューヨーク州クロトンビルに開設した世界初の企業内ビジネススクールです。ここに世界のリーダーたちが集い、集合研修・ワークショップを行います。世界の優秀人材層を一挙にグローバルレベルで集約し、学び合うという取り組みです。
このような取り組みは日本企業でも実施例があります。
トヨタ自動車では、既に2001年にトヨタ及びその海外事業体を含めたグローバルトヨタの経営者、ミドルマネジメントを育成する人材育成機関「トヨタインスティテュート」を社内組織として設立しており、経営者の早期育成に力を入れています。
(参考引用:トヨタ自動車)
なお、上記3つの種類の取り組みも、オンラインやオフラインを交互に組み合わせて実施するのが、昨今の主流でしょう。今後、外部の研修会社・外部講師をどの程度活用するのか、そのすみ分けの観点での検討も必要でしょう。
4.次世代リーダー研修の効果測定、ROIとは
では、実際にリーダー研修は、意味があるのでしょうか?どのように効果測定をすればいいのでしょうか?リーダーのROI(リターン・オン・インベストメント)とは一体どのようなものでしょうか?おすすめの効果測定法は以下の3つがあるでしょう。
1)実施後アンケート
実施後の受講者アンケートは一つの大事な手法です。その際に満足度や、難易度など一般的な測定項目だけでなく、数か月後や数年後に、再度アンケートを実施することで、研修の効果が出たことや感想なども調査する、レポートしてもらうことが有効です。研修実施後、しばらくしてからの現場ヒアリングも良いでしょう。中長期にわたり、効果を可視化し、記録していくことも大切でしょう。
2)研修参加者のパフォーマンス
研修参加者のパフォーマンス(業績)も引き続き、追い続けていくべきでしょう。研修を受講した人材と、しなかった人材で、パフォーマンス(業績)はどの程度違ってきているのかなどの比較も有効でしょう。仮に、その人材が、この研修を受講したことで追加の事業利益を出すような働きをしたのならば、研修投資はペイ(採算が取れた)したともいえるでしょう。効果を100%数値で表現することはできなくとも、このような考え方で、ROIを見ていくことは大事な観点でしょう。
3)研修参加者の昇格状況
また、研修参加者の数年後の役職ポジションも確認することは有効でしょう。引き続き、順調に昇格しているのか、そうではないのか。例えば5年後の部長・役員昇格率などの目標を設け、予定通りになっているのかどうか。研修参加者の役職ポジションを負っていくことも、重要なポイントでしょう。
上記のいずれにせよ、リーダー研修実施後は、そのままにせず、効果を可能な限り明確に数値化して、改善を継続していくことが大事な観点でしょう。
5.まとめ
リーダー育成とその研修導入は、多くの企業にとって喫緊の課題でしょう。その導入目的・目標設定を意識し明らかにすることが必要です。そのうえで、どのようなスタイルの研修を取り入れ、強化していくのか検討した上で、効果・ROI測定をしっかり数値化して行っていくのかが、成功のカギとなるでしょう。
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この記事の編集担当

黄瀬 真理
大学卒業後、システム開発に関わった後、人材業界で転職支援、企業向けキャリア開発支援などに幅広く関わる。複業、ワーケーションなど、時間や場所に捉われない働き方を自らも実践中。
国家資格キャリアコンサルタント/ プロティアン・キャリア協会広報アンバサダー / 人的資本経営リーダー認証者/ management3.0受講認定
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