2019.12.12 ストーリー
シニア活躍推進ワーキンググループへの参加の期待 #02
三井不動産株式会社 後藤要二様
シニア(50代)社員の力を企業競争力向上に繋げるために4社合同で発足した、「シニア活躍推進ワーキンググループ」。参画企業の三井不動産人事部マスター人材活躍推進グループの後藤様に、シニア層における課題感や参画の背景、今後取り組みたいことなど、お話をうかがいました。
マスター人材活躍の仕組づくりに向けて
―このワーキンググループへの参加を決められた背景は?
私が所属する「マスター人材活躍推進グループ」は去年4月に人事部の中に発足した組織です。弊社では、シニア人材のことをマスター人材と呼んでいます。あえて「シニア」という言葉を使うよりは、より"社員の活躍"にフォーカスを当てたい、ということで「マスター人材」という定義で発足しました。
シニアの活用のあるべき姿については、1個ものさしとして持っておく必要があると思っています。そこで、他社の事例をうかがい、自社に取り入れられるものがないかと思い参画を決めました。
―今まではどのような取り組みを行ってきたのでしょうか
今までマスター人材に対して、自己研鑽や能力開発という点では各自の取り組みに委ねてきたのが現状です。会社が必修でもうける研修も、40歳手前くらいの管理職になるための研修が最後です。気づいたら60歳を迎えてしまい、その後のキャリアが停滞してしまう方が多いです。
今年から新しく研修体系を見直しまして、40代半ばから50代半ばで、退職金年金の計算等を通じてライフプランを考えるという任意参加の研修を復活させました。また、52~53歳のタイミングで、学びなおしの必要性や自分のキャリアを振り返って自分の活躍できる可能性を広げて深堀りする機会となる研修を新設しました。
また、マスター人材に限らずですが、弊社は毎年1回全社員と人事部員が面談する機会があります。そこで、現在の仕事について感じていることや、異動の希望、今後の取り組みについて話します。この機会をうまくいかせないかと思っています。
―シニア人材における御社の課題を教えてください
現在、全社員が1,500~1,600という中で100名以上の方が60~65歳となっています。5年~10年先には、全社の約1割強くらいが60歳以上になるので、この方々の活躍や会社の中での役割というものを、真剣に考えなければならない。加えて、三井不動産グループ全体としても、この5年~10年で海外を含め新規事業等、かなり業容を広げてきておりまして、各現場では人が欲しいという要望が増えてきています。「マスター人材」の活用を目指していかないと、なかなか両方の問題の解決にならないと考えています。
―ワーキンググループを活用した先にある、マスター人材活躍の将来像は?
今まさに、65歳以降のことも考えないといけないという危機感があります。70歳までの就労機会も努力義務からスタートするとはいえ、近い将来義務化されると思います。
年齢を重ねれば重ねるほど、いわゆる「手に職」が無ければ会社にとって必要だと思われる機会が得にくくなり、やり甲斐を感じることが難しくなるかもしれません。キャリアのブラッシュアップやネットワークの在り方を、より若いうちから社員各々に考えてもらう必要があり、会社はそのためのバックアップを考える時に来ています。ゆくゆくは、会社や部門が求めている人材像と社員各々のキャリアや能力が双方向に共有できる仕組みやデータベースを整備して、社員がより長いキャリアプランを描きやすくすることで、健康であれば70歳までやり甲斐や生き甲斐を持って社員が働ける環境を整えられればよいな、と思います。