人生100年時代の戦略的人事構想会議 第1回 開催報告
2019年7月26日(金)、日本橋ライフサイエンスビルディングにて人生100年時代の戦略的人事構想会議 第1回を来場者120名で開催しました。
概要
これまで多くの日本企業では、 日本独自の人事制度を採用し、同質性の高い画一的な組織を作り上げてきました。しかしグローバル化、デジタル化、少子高齢化と人生100年時代という"産業の転換期"とも言える昨今、日本独自の人事制度 は崩れ始めています。こうしたなか、各企業では、年齢や性別に関わらずすべての人材に戦力となって活躍してもらえる就業環境、人事制度の構築に課題を感じています。そこでこの度、あるべき新しいマネジメントを、企業間で一緒に考え発信していくことを目的に、株式会社ライフワークス、株式会社アクティブ アンド カンパニー、エッセンス株式会社の3社が発起人となり、人生100年時代の戦略的人事構想会議を立ち上げました。そして、7月26日のシンポジウムでは「企業戦略としてのミドル・シニアのキャリア開発とは」をテーマとして、法政大学大学院教の石山恒貴氏の基調講演をはじめ、発起人である企業3社から、それぞれの専門分野(「キャリア開発」「人事制度構築」「越境学習」)を通じたミドル・シニアのキャリア開発事例について紹介を致しました。
3社の講演内容概要
株式会社ライフワークス (講演者:事業企画部長 野村圭司)
バブル期の大量採用世代が50代になり人件費が深刻化していることもあり、企業がシニアに重要な戦力として活躍し続けることを求めはじめています。一方で、役職定年などを機に50代のモチベーョンは下がりがちとの調査結果もあります。こうしたなか、社内および社外でキャリアを積むことで新たな活躍に繋げた個人事例と、個人が一歩を踏み出すための役割創造®コンセプトをベースとしたライフワークスの支援事例をご紹介しながら、企業が今の時代に合った「ミドル・シニアのキャリア開発」を支援する上で重要な点について講演しました。
株式会社アクティブ アンド カンパニー (講演者:常務取締役 八代智)
企業人としての活動期間の長期化が進む中で、これまでの正社員主導型の「無限定社員」と「それ以外」といった固定概念をベースとしたしくみから、「「出口戦略」をどう組み立てるか」、「人材の意識の変化を許容したマネジメントを実現するためにはどのようなしくみを準備すべきか」といった観点から、仕組みや働く環境を構築する要点をご紹介いたしました。
エッセンス株式会社 (講演者:代表取締役 米田瑛紀)
人生100年時代、個人は継続的な自立キャリアを構築する事が求められており、企業と社会はその構築支援を強化する必要性に迫られています。その最初の一歩として「越境学習」に注目が集まっており、シニアの活性化においても越境によるキャリア開発と力試しが重要だと考えられております。他社留学やプロボノ参加といった多様な越境学習の事例を踏まえながら人生100年時代に必要とされる成長の機会提供についてご紹介いたしました。
パネルディスカッションの様子
後半のパネルディスカッションでは、参加者の皆様に、パネリストの方に聞いてみたい質問を募集し、リアルタイムでお答えしていきました。会場からは、「副業などの社外活動は本業へ悪影響なのでは?」「役職定年後のモチベーションの低下を防ぐには?」などの率直な質問も相次ぎ、非常に活発な意見交換が行われる場となりました。
▼講演録はこちらからダウンロードできます。