2019.11.21 ストーリー
シニア活躍推進ワーキンググループ開催報告(2019年度) #01
さまざまなシニア社員活躍モデルを生み出すには(第一回:日清食品様のケース)
2019年10月23日(水)に第1回「シニア活躍推進ワーキンググループ」を開催しました。
今回は、日清食品様が捉えているシニア社員の課題と目指したい姿を共有しました。他の参加企業様はアドバイスやアイデアを提供し、目指したい姿に向けての知恵を出し合いました。近い将来の施策に繋げるための2時間の議論。その議論のポイントを公開します。
今回の発表者:日清食品 大西剣之介様
1) 日清食品の課題と取り組み
これまでの人事制度は、等級に関係なく、勤続年数で収入が上がるような仕組みでした。しかし今は、頑張っている人が適切に評価されるように人事制度の改革を進めています。シニア社員へは、研修と公募制度を組み合わせて意欲喚起しています。自身のキャリアを見直す研修と、管理職にチャレンジできる公募制度を接続させる事で、シニア社員のチャレンジを可能にしました(シニア社員にもチャレンジしてもらえるよう、管理職へのチャレンジ公募制度の年齢制限を撤廃しました)。その結果、研修を受けた28名中5名がチャレンジ公募制度に応募し、若手を含めて応募した他候補者と対等に選抜された後に、シニア社員からは2名がチャレンジ公募に合格され、年収UPにも繋がりました。
2)シニア社員の活躍を促進するための課題の要点
- 新しいことへチャレンジする本人意欲の醸成
- シニア社員活躍のための施策を受け入れる職場風土
- 会社としての制度面でのバックアップ(給与維持や雇用保障など)
- 役職定年後のポストの不足(特に大多数のシニア社員が目指せるポストがない)
3)シニア社員の活躍に向けての議論の中で出たアイデアの要点
- 食品業界であれば、原材料にもつながる農場経営を行い、地方の農家で活躍してもらうのはどうか。
- 企業間をまたいだ人材活用の在り方の模索。例えば、同業他社の製品を両方営業できる組織を創り、人材の育成などはどうか。
- シニアの働きがい基点での貢献テーマを自ら出してもらい、ニーズのある仕事について公認し任せて活躍の箱(他のシニアもやってみたいと思えるロールモデル)を作ってはどうか。
- シニア社員には、対人やフェイスtoフェイスでの対応領域に適性があると仮説をたてると、以下のような可能性もあるのではないか。
1)BtoC分野や顧客のアフターフォロー業務への従事により、顧客満足度の向上に役立てる。
2)若手のコーチのような存在として、スキルの伝承と相談役を担う。(合わせて、同時にシニア社員も若者から学べるメリットもあるような仕組みづくりはどうか。 )
3)広く現場の営業管理・人事管理の役割として、組織運営を円滑にする。(ここに繋げるためにキャリアの比較的早い段階で、「人事/労務管理」の経験を積んでおくことが有効ではないか。)
4)今回のまとめ
シニア社員に活躍してもらうには、会社としての保証や制度整備とあわせて、更なる活躍に向けての本人のマインドセットを変えるための支援がセットで必要となります。社内で培ってきた自身の経験やスキルが社外でも活きると知ることは、そのための一歩に繋がります。例えば、関係会社やNPOなどへの社外出向、副業を通じて視野を広げる事などもその手段として有効だという意見が出ました。