2019.11.21 ストーリー
シニア活躍推進ワーキンググループ開催報告(2019年度) #02
シニアの経験と現場のニーズをマッチさせるには(第二回:三井不動産様のケース)
2019年10月30日(水)に第2回「シニア活躍推進ワーキンググループ」を開催しました。
今回は、三井不動産様が捉えているシニア社員の課題と目指したい姿を共有しました。他の参加企業様はアドバイスやアイディアを提供し、目指したい姿に向けての知恵を出し合いました。近い将来の施策に繋げるための2時間の議論。その議論のポイントを公開します。
今回の発表者:三井不動産 後藤要二様
1)三井不動産様の課題と取り組み
60歳以降は再雇用(契約社員)制度を採用していましたが、来年度からは定年延長制度を開始することになりました。キャリアを継続したいと希望する働く意欲の高い方々が、安定的に活躍し、安心して働き続けられることを目指しています。経験を活かした活躍を期待し、60歳以降の社員をマスター人材と総称して定義しています。
これまで、40歳以降に会社として提供する受講必須のキャリア研修はありませんでしたが、定年延長制度導入に伴って、50代以降の社員の方々には、60歳以降にもこれまで培った経験を活かし、またはブラッシュアップさせながらより一層の活躍をし続けてもらいたいと考えています。そのために、経験の棚卸しをしていただくことを目的として、今年度は52~53歳の社員を対象とした受講必須のキャリア研修を実施する事にしています。
また、新規事業提案制度があり、提案が承認されるとプロジェクト専任職として異動し活躍していただく制度もあります。それに伴い、既存部署に若手の欠員が発生することがありますが、今は定期異動で補っています。更に、各々が従事する状況や今後の希望について直接対話しながら、仕事のミスマッチを最小化させる、メンタル疾患や退職などに繋がる状況がないかの把握をする事などを目的として、人事部員が全社員に対して年1回の面談をする取り組みも実施しています。
2)シニア社員の活躍を促進するための課題の要点
- 60歳以降の社員側が希望する仕事や経験と、組織側の需要とのマッチング。
- 海外を含めた新規事業領域の拡大に伴い、今後もより多くの社員を必要とする現場が増える見込みであるが、一方で既存事業の担い手を欠かすことはできない。ここにシニア人材の活躍の場を作りたいと考えているが、若手社員を求めがちな現場の部署に対しての、シニア人材に受け入れのための意識醸成が課題である。
- シニア社員がキャリアを会社に委ねることなく、自らオーナーシップを持てるように働きかけていくことが重要である。
3)シニア社員の活躍に向けての議論の中で出たアイディアの要点
- 60歳以降活躍し続けるためには、取り組む仕事についての意味づけを自らすることが重要ではないか。
- 三井不動産では、人事部が全社員と年に1回1on1面談を行っており、各部署の業務内容を把握している。部署ごとにシニア社員が向いている仕事を可視化して、シニア社員の経験やスキルと、可視化した仕事をマッチングしていく仕組みができるとよいのではないか。
- 社員が自身のキャラクター(得意・好き)やキャリア希望、職歴をオープンにして、社内転職できるような柔軟な仕組みがあると面白いのではないか。
4)今回のまとめ
60歳以降まで活躍し続けてもらうために、中長期のキャリアを考えるキャリアビジョン研修を50代向けに行う事に加えて、40代以下の年代にも将来を見据えたキャリアの展開の仕方を考える機会を広く提供していくことが必要となります。あわせて、各部署が社内に向けて募集したい仕事を開示するとともに、従業員が社内で他部署にも経験を開示し、希望を出して異動することで、従業員が社内で自律的に活躍する場を広げられるのではないかという意見が出ました。